Cooliefによる変形性膝関節症治療
当院では、令和7年6月より末梢神経ラジオ波焼灼療法「Coolief(クーリーフ)疼痛管理用高周波システム」を導入しました。
クーリーフ(Coolief)とは
クーリーフ(Coolief)は、変形性膝関節症に対し、痛みの原因となる神経を高周波(ラジオ波)で部分的に焼灼(組織を加熱し変性させる)し疼痛を改善させる新しい低侵襲治療法です。
従来のヒアルロン酸注射などの保存療法で効果が十分得られない方、手術加療に抵抗のある方、また心疾患や肺疾患、悪性腫瘍などで手術が難しい方にも使用が可能な新しい治療法になります。
特徴・メリット
- 身体への負担が少ない低侵襲治療
局所麻酔で行うため、入院の必要がなく、日帰りでの治療が可能です。
ご希望に応じ1泊入院にて加療も可能です。 - 保険適応の治療になります
令和4年6月より変形性膝関節症に対する末梢神経ラジオは焼灼療法が保険適応として収載されました。 - 長期間の痛み軽減効果
現在の臨床試験では、治療後6か月の時点で、約74%の方で疼痛が半分以下になったと報告されています。また1年後でも約65%の方で疼痛が半分以下で維持していると報告されています。
- 超高齢者や持病のある方にも適応
手術が難しい方や、薬物療法で効果が得られなかった方にもご提案できます。 - リハビリや日常生活への早期復帰
治療後すぐに歩行が可能で、日常生活やリハビリも継続できます。 - 左右同時の施行も可能です
同日に両膝の治療が可能です。
対象となる方
- 変形性膝関節症などの慢性膝痛でお悩みの方
- 内服薬やヒアルロン酸注射、リハビリなどの保存療法で十分な効果が得られない方
- 手術を希望されない方、または持病などで手術が難しい方
- 手術を進められているが、仕事や家庭の事情で入院が難しい方
治療の流れ
- 診察・適応判断
初回診察時にまずレントゲンやMRI、採血などの検査で対象となるかを判断します。 - 超音波エコー下で局所麻酔テストブロックを行います。
エコーガイド下で神経末端に局部麻酔薬を注射します(テストブロック)。テストブロックにて効果があった場合はCooliefの治療効果が得られると判断し、施行日を予約します。
入院加療を希望される場合は入院説明を行います。 - 治療当日
①局所麻酔を行います。
②超音波ガイド下で専用のプローブを膝の神経付近に挿入します。高周波エネルギーを照射し、神経をターゲットに痛みの伝達を遮断します。
③焼灼する神経は3部位で、1部位2分30秒高周波を流します。 - 治療後の経過観察
治療後は短時間の安静後、歩行が可能です。必要に応じてリハビリを継続します。
安全性と副作用
- 治療は局所麻酔で行い、体への負担が少ないのが特徴です。
- 治療後、腫れや違和感が生じる場合がありますが、多くは一時的です。
- 発生頻度は稀ですが、やけどやけいれん、痛みの増悪、筋収縮、心血管損傷、異常感覚その他合併症が生じる可能性があります。
費用・保険適用について
クーリーフ治療は保険適用となっております。詳細な費用や適用条件については、当院スタッフまでお気軽にお問い合わせください。
膝の痛みでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
患者様一人ひとりに合わせた最適な治療法をご提案いたします。